2020/03/17 AIで復活させる「鬼の検査官」
こんにちは。
今日は、金融監査でのAI活用について書きます。
金融庁による検査で活用されるAI
JBpressの記事で、下記の記事がありました。
森前長官と「半沢直樹」“検査官”に震える銀行業界 「最強」金融庁長官と「鬼の検査官」の”復活”に戦々恐々(1/3) | JBpress(Japan Business Press)
下記を記事から引用します。
金融庁は昨年5月、有価証券報告書などの審査業務にAI(人工知能)を活用すると発表した。現在、民間のIT企業など20社と共同開発を進めている。AIを進化させるは、ビッグデータを蓄積すると同時に人間の思考や行動を学ばせる“教師”が必要になる。AIの教師役になるのが、目黒氏だというのだ。
(注釈)個人的には文書検索を「AI・人工知能」と表現することには抵抗がありますが、今回はあえてこの表現を使います。
これまでは検索と分析の「ツール・道具」でしかなかった
これまでは、文書の量があまりにも大量だったため、「鬼の検査官の勘・嗅覚」と形容されるものに頼らざるを得ませんでした。
それでも、Google検索に代表される技術で文書の検索は実現できますし、いわゆるビッグデータ分析で異常の傾向や不正の検出を大量のデータを使って行うことができます。
しかし、それ自体は「検索や分析ができるツール・道具」でしかなく、検索方法や検索結果を分析して判断することは人間しかできない状況で、まだまだ「鬼の検査官の勘・嗅覚」が必要という状況が続いていました。
人間の勘と経験をAI化できた
それがAI・人工知能の技術の進化によって、「鬼の検査官が持つ勘や嗅覚」を教師データとして覚え込ませることが可能になったというのが、今回の記事が示す大きな進歩です。
これは、金融庁の検査のように、大量の文書データから不正を探すことに対して、AI・人工知能によって検出精度が一気に向上し、より良い金融システムに改善していくことが期待されます。
私もソフトウェア開発の監査業務をしていますが、こういう事例をうまく取り入れて行けたらと考えております。
では、また。