2019/07/11 MaaSの動向
こんにちは。
今日は、CASE革命に書かれていたMaaSとPOVについて書きます。
- 作者: 中西孝樹
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2018/11/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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まず、MaaSとPOVの言葉の定義は下記になります。
まずは、MaaS(マース)とPOV( Personally Owned Vehicle)の意味を理解したい。MaaSとは、 Mobility as a Serviceの略で、一般的に、「サービスとして利用されるモビリティ」を意味する。POVとは個人で所有しているクルマを指し、「ピーオーブイ」と発音する。 出典:「CASE革命」より
移動をサービスとして事業者から一時的に借りるか、個人でクルマを所有するかの違いになります。
なので、2019年現在の日本では、ほぼ100%がPOVということになります。
で、将来POVからMaaSへ変化する背景には、次のことが挙げられます。
POVの稼働率は4%程度にすぎず、 96%は駐車されている。一方、MaaS車両であるロボタクシーの稼働率を 40%と仮定すれば、1台のロボタクシーでの年間走行距離は一般的なPOVの 10倍に拡大できる。極端な言い方をすれば、1台のロボタクシーは 10台のPOVを代替できるのだ。 出典:「CASE革命」より
「クルマはほとんどの時間は駐車している状態」というのは、十年以上前から言われていましたが、今まではそれを変えるための技術レベルが追いついていませんでした。
それが、この数年の人工知能・高速インターネット通信などに代表される情報技術の革新によって、自動運転やシェアリングの仕組みが確立されつつあることで、その結果を総合して「MaaS」という解決策が実現可能になってきたということになります。
あとは、経済的な合理性と、現状のPOVとの共存ルールが成立すれば、MaaSへの置き換えが始まる状況にあります。
しかし、本の中にも書かれていますが、自動車が非常に複雑な要素が結合した工業製品であることと、人命を預かるという極めて高度な品質保証要求からくる制約があることから、変化のスピードはガラケーからスマホへ置き換わった時よりも遅くなると言えます。
でも、そのスピードはなかなか予測しづらいですし、それでもMaaSへの動きは止められないため、既存の自動車会社がこの方面の開発に傾倒していると言えます。
なかなか先の読みづらい状況ですが、個人的には「高齢者などの交通弱者」という社会課題の解決のため、MaaSに向けた動きは進んでほしいと考えています。
では、また。