2019/03/16 残業学を読みました。
こんにちは。
最近、働き方を考えることが多くなリました。
そんな中で、「残業学」という本を読んだので、紹介したいと思います。
あらためまして、今回読んだ本は下記になります。
残業学 明日からどう働くか、どう働いてもらうのか? (光文社新書)
- 作者: 中原淳,パーソル総合研究所
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2018/12/12
- メディア: 新書
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この本では、世の中にはびこる「残業」に関して、大規模な調査から得られたらデータを元に、多面的な考察をしています。
私も社会人になってから15年間、長時間残業が状態化した部署にいたので、この本に書かれていることは、実体験として持っています。
たとえば、下記の部分は、痛いところを刺された感じです。
なぜか「努力はしているけど、成果が出ない」人の方が美談として語られがちなわけです。これは残業と成果の関係も同様です。
出典:残業学 第3講 残業に「幸福」を感じる人たち
私も残業超過のときは「夜遅くまでやってるから評価されて当然」という考えでした。
ただ、今になって振り返ると、投入した時間のわりにはろくな成果を残しておらず、当時の考えは大きな誤解だったと思うようになっています。
そこから数年前に今の部署に異動し、上司が変わってから、残業の制限と成果の質の両立を問われるようになり、マインドが是正されました。
そのため、以前の部署で、当時の私と同じマインドの若手を見るにつけ、非常に残念な気持ちになるところです。
一方で、この本には、残業が減らないことは、歴史的に築かれた複雑にからみあった問題と書かれていて、個人の力ではどうにもならないことも見えており、歯がゆい思いをしているところです。
とはいえ、この本には改善へのヒントが多く書かれています。
つまり、一人ひとりの仕事の範囲が明確で、自分のペースや方法で仕事を進められる場合は、残業の「集中」「感染」を招きにくいのです。残業が多い職務とあわせて考えると、「成果の明確化」よりも「役割と責任の明確化」が残業を抑制しそうです。
出典:残業学 第4講 残業は「集中」し、「感染」し、「遺伝」する
これ以外にも、多数の解決のヒントはあるのですが、この引用部分でいうと、役割と責任をあいまいな状態で仕事を進めていることが問題ということになります。
役割と責任が不明確だから、責任感の強い人が穴埋めをしようとして、無限に仕事が増え、残業過多になり、疲弊し、壊れることになります。
なので、プロジェクトの計画段階で役割と責任を明確にすること、および、そうでない場合に止められる仕組みを持つことが必要ということになります。
なかなか難しい取り組みですが、この考え方は、ソフトウェア開発の現場でいうと、プロセス規格のAutomotiveSPICEで言う「SUP.1 品質保証」が該当しますので、参考にしながら変えるしかなさそうです。
まだまだ道のりは長いかな。。。
では、また。